清掃員に憧れる女の子

先日アイドルグループ 「 NMB48 」 5期生の水田詩織ちゃんが「アイドル以外にやってみたい職業」というテーマのMCで「清掃員をやってみたい」と言っていた。

清掃員。一般的には、うら若き18歳の女の子(それもアイドル)がやってみたい職業として挙がるものではないだろう。

「世間知らずのお嬢さんの戯言だ」と鼻で笑う人もいるかもしれない。

だが、清掃員はあらゆるところで必要とされる。身近な存在だ。

僕は高級で少し気後れするような場所で清掃員を見かけると、憧れるというより、どこかホッとした気持ちになる。

人間と掃除

人間は掃除から逃れられない。

生活する限り汚れはたまっていく。一人暮らしをしたことのある人は誰しも、気が付くと部屋が汚くなっていた、という経験が一度はあるだろう。

科学技術も随分進歩したが、そもそも汚れがたまらないようにすることは未だにできないらしい。

人間とゴミ

汚れと同じく、人間はゴミからも逃れられない。

定住生活が始まって以来、人間はゴミや排泄物のそばで生活することを強いられてきた。都市の環境は劣悪で伝染病もよく流行し、大量の死者が出ることも珍しくなかった。

ただし現代の先進国においては、下水設備やゴミ収集システムによってゴミや排泄物を目に触れないところに追いやることには成功した。

だが当たり前になり意識に登らなくなったものは、その重要さを過小評価されがちだ。近年アメリカのフリント市で起きた水道災害も、その帰結として起きてしまった悲劇と言っていい。

「自然」とのつき合い

都市からはどんどん「見苦しいもの」が排除されていく。だが実は隠されているに過ぎない。人間の身体の仕組みや、自然法則が変わったわけではない。相変わらず排泄物は出るし、汚れもたまる。

「死」も随分見えづらい。だが相変わらず人は死ぬ。孤独死した人間は人知れず腐っていく。

そのことを忘れてしまった社会は歪なものになる気がしてならない。生きることは終わらない「自然」とのつき合いだと思う。

清掃人はそのことを思い出させてくれる稀有な存在かもしれない。

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