苦しい時こそ読みたい!ファンタジーの底力に刮目せよ!

こんにちは!

皆さんは苦しい時、どうしますか?もちろん簡単に解決するような問題ではそもそも苦しまないし、苦しみが一気に解消することはないでしょう。

時には苦しみを忘れ、息抜きをしながらごまかしごまかし徐々に進んでいくしかないのでしょうか?

息抜きには様々な娯楽がありますが、ファンタジー作品には娯楽にとどまらず、苦しみに立ち向かう勇気を与えてくれるものが多くあります。

今回紹介する『獣の奏者』はそんな作品の一つです!

ファンタジーとしての『獣の奏者』

ファンタジーに対して、一般にどんなイメージがあるでしょうか?

ファンタジーには現実から全く独立した世界を描くハイファンタジーと現実世界を舞台としながら非現実的要素を含んだローファンタジーがあります。

人間は結局現実に生きていくしかないし、特にハイファンタジーには子供っぽいイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、一方でハリーポッターや指輪物語など世界的に人気のあるハイファンタジー作品もあります。

ハイファンタジーは現実的ではない分、物語に没頭した時、運命に立ち向かう人々の強い姿強烈に響いてくる一面があるのではないでしょうか。

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あらすじ

架空の世界を描くハイファンタジーで、特異な構造を持つリョザ神王国が舞台。

天涯孤独の主人公エリンは、国のシンボルでありながらその扱いには多くのタブーがあり、生態も謎に包まれている王獣に惹かれていく。

上橋さんに最初に浮かんだイメージは決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女らしいです。

エリンは王獣との交流の末、いつしか神王国の歴史にまで踏み込むこととなり、その数奇で過酷な運命に強く立ち向かっていくことになります。

感想

上橋さん自身燃え尽きたと語るラストシーンは安易なハッピーエンドではありませんが、なんというか本当に美しい情景です。

今真剣に人生に向かっているほど、強い勇気と救いを感じるのではないでしょうか。

個人的に面白かった点は、主人公エリンの駆動力として知識欲が丁寧に描かれていたことです。

人間の本性といえば兎角見境ない欲望か、逆に極端な愛情などが描かれがちなような気がしますが、純粋な知識欲というのも本当に素晴らしいですよね。

単に役立つ知識を得るのではなく、役に立たなくても知りたいことを知ることが楽しい、そんな大事な気持ちを思い出させてくれました。

一方、知識を得ることの不可逆性も重要なテーマです。

より良い生活のため状況や自然をコントロールしたいという思いは決して悪いものだとは思いませんし、リョザ神王国はその思いで生まれました。

一見安定しているリョザ神王国はエリンの得た知識によって亀裂が入り変化を迫られていきます。その変化を止めることは誰にもできません。

エリンは抹殺されるべきだったのでしょうか?誰も答えることはできません。しかし遅いか早いかだけの問題のような気もします。

現実の歴史を振り返っても、テレビ然りインタネット然りスマホ然り、知識によって社会は否応なく変化してきたように思います。

誰しも安定を求めますが、変化は避けることはできないでしょう。そんなとき重要なのは安易な因果関係に身を委ねず、エリンのように真摯な姿勢向かうことではないでしょうか。

苦しみの時、それは変化の時です。『獣の奏者』はそんな時、大きな勇気と力を与えてくれる作品ではないでしょうか。

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『獣の奏者』についてその他色々

読みやすさ

ページ数はハードカバーでⅠが約300ページ、Ⅱが約400ページ程です。

もともと児童文学ですし、文章自体は平易で読みやすく、文字の密度も高くないので各3、4時間ほどで読むことができました。

上橋菜穂子さん

作者の上橋さんは多くのハイファンタジー作品を出版し、数々の賞を受賞されていますが、人類学者としての一面もあり、アボリジニを研究されていて、著作もあります。

(詳しく知りたい方はwikipedia『上橋菜穂子』を参照してください。)

個人的にも先住民の神話に興味があります。

というのも世界各地の神話には共通の表象がみられるそうで、そこには科学主義や合理主義では評価できないような力があるんではないか、と思っているからです。

また機会がありましたら、そういうことに関する本も紹介していきたいと思います。

上橋さんが素晴らしいファンタジー作品を生み出すことができるのには、人類学者として真摯に人間に向き合ってきた一面があるのは間違いないでしょう。

メディア展開

『獣の奏者』はNHKでアニメ化されています。

また上橋さんの『精霊の守り人』はドラマ化されました。

興味のある方は是非どうぞ。

個人的な思い出

上橋さんの守り人シリーズは小学生の頃読破しており、内容は全然覚えていませんが、良いものを読んだ感じがずっと残っています。

これって結構すごいことだと思うんですよね。また改めて読むと感想も変わると思うので機会があれば読み返したいと思います。

まとめ

大人も子供も一読の価値あり!苦しい時にこそ響く作品です!

上橋さんの他の作品もオススメです!

続編はこちら!

 

⇓文庫化されてます!

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お読みいただきありがとうございました!
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